ーーーそれからしばらく経ち、雅の最寄り駅のひとつ手前に着いたため、彼を起こそうと思った。
結局一度も起きなかった雅。
「雅、駅着く」
「…………」
「雅、乗り過ごすよ」
雅が反応を示してくれないため、頬を突っついてみたら、ようやく眉をピクッと動かした。
「おはよう」
ゆっくりと雅が目を開け、私のほうを見たから反射的に挨拶をしてしまう。
そういえば雅の寝起きを見るのはこれで二度目だ。
今日はよっぽど疲れていたのだろうな、なんて思いつつ。
「……どこ、ここ」
寝起きの雅の声は、どこか掠れていて、さらに低く聞こえてきた。
「次、雅の駅」
「……じゃあまだだな」
「えっ、何言って」
「今日はお前の駅で降りる」
説明不足なうえに、もう一度目を閉じて寝ようとする雅を慌てて起こす。



