ふたりきりになれることもないし、寂しさは増すばかりで。
眠っている雅の片手を、両手で包むようにして握った。
「……雅」
もう一度名前を呼べば、突然雅に手を握り返された。
「えっ……」
「何かわいいことしてんの?」
「な、なんで起きて……」
目を閉じていたはずの雅が、ゆっくりと目を開けた。
そして私のほうを見て、意地悪そうな笑みを浮かべてきた。
「お前こそ何してんの?」
「そ、それは……あの」
「なんだよ、ちゃんと言わないと俺伝わらないけど」
そう言いつつも、雅は変わらず笑っているから、なんだか伝わっているような気もした。
「最近、雅との時間が少ないから、寂しい」
だけど素直に話し、雅に自分の気持ちを伝える。
「他は?」
「えっ……」
「寂しいだけ?」
寂しい……寂しいだけかって言われたら、違う。
他にも別の感情があった。