「あっ、行っちゃった……」
「本当にミイのことしか考えてないんだな」
「だって久しぶりに会ったから」
雅がまた私の隣に座る。
「俺よりミイとるとかいい度胸」
「えっ、なんで」
どうしてそういうことを言うのか、気になって雅のほうを向けば肩に手をまわされ、引き寄せられる。
ふたりの肩が触れ合い、途端にドキドキし始めてしまった。
「み、雅……」
「ん?」
「距離が近くて、その」
「嫌?」
「嫌じゃない、けど……」
「じゃあもう少しこのままで」
どこか甘さのある声。
雅はそう言うと、頭を私のほうへと傾けた。
そのため頭に重みを感じ、さらに距離が近づいた気がしてドキドキと胸の高鳴りが止まなくなる。



