「へへ、同じだ。
私も恥ずかしい」


この気持ち、私だけじゃないんだって思えた。
雅も同じなんだって。



「……っ、本当にお前って」
「……?」

「なんでもない」


そう言うと、雅にミイをとられてしまった。


「雅、私の抱いてる猫を奪うのが好きなの?
まだミイと遊びたいのに……」

「じゃあお前は、いつまでもミイと戯れてるわけ?」
「はい?」

「今からはミイじゃなしに俺に構ってもらう」


雅はミイを抱いたままベッドから腰を上げ、ドアのほうへと歩いて行ってしまう。


雅に構う……?
よく意味がわからなかったから、雅の行動を見守る。


すると雅は部屋のドアを開け、ミイを廊下におろしてしまった。



「え……雅、ミイは」

「今から俺たちふたりの時間。
ミイは偉いから我慢して待てるよな?」

「みゃー」


雅はしゃがみ込み、ミイを撫でる。
ミイは嬉しそうに鳴いたかと思うと、そのままどこかへ歩き出し、姿が見えなくなってしまった。