腹黒王子のいいなり。



菅原は笑いながら、またノートの位置を私の前に戻した。

どうやら菅原の優しい気配りだったらしく、それに気づかなかった私も私だ。


だから素直に受け入れ、その後も教えてもらったのだけれど……気のせいかな。


やっぱり距離が近い。
時折耳元に菅原の息がかかるほど。

耳に息がかかると結構くすぐったいのだが、我慢する。


「春坂さん、どうかな。
今の説明でわかった?」


すると今度は顔を覗き込むように見つめてきた。

かっこいい顔が視界いっぱいに映り、思わず息を呑んだ。


「……ねぇ、見て」
「距離近くない?」

「いい感じじゃね?」
「もしかして雅、狙ってるのか?」


そんな時、周りから視線を感じて、さらには小さな話し声も途切れ途切れに聞こえてきた。