雅は笑っていた。
優しく、穏やかな笑み。
だけど、その笑顔には“やっと気づいた”とでも言いたげな感情が含まれているような気がした。
「雅……!」
思わずミイを抱いたまま、雅に身を寄せる。
抱きつくことはできなかったけれど、雅にぴたりとくっついた。
「玄関でそれするか」
「雅、なんで……いつから気づいていたの?」
「ずっと。受験の日から。
まじでびっくりしたよな。
頭の中に残ってて、忘れられないでいたら受験先でまた会うとか」
雅が歩み寄った私の頭の上に、ぽんと優しく手を置きながら話し始めた。
まさか受験の日から雅は私のことに気づいていただなんて。
「俺はずっとお前のことが忘れられなかった。
言っただろ?一目惚れだって。
お前の笑顔に俺は落ちたんだ」
「……っ、そんな……」
じゃあ、今までの“好きな人”の話って全部……私のことを指していたの?



