腹黒王子のいいなり。



「冗談はやめてよ」
「みゃー」

私の後に続くようにして、猫が鳴いた。

ほら、こうやって人懐っこい猫のほうが絶対かわいい。


甘え上手だし、癒される存在だし、とにかくかわいすぎてたまらない。


「冗談で言うわけないだろ」
「あっ……」


その時。
ひょいっと、雅に抱いていた猫をとられてしまった。


「か、返してよ」

「みゃー」
「……こいつ嬉しそうにしてるけど?」


ひ、ひどい。
猫もどうやらイケメンを選ぶらしくて、すぐ雅に懐き、嬉しそうに鳴いていた。


「くそー、返せ」
「俺がいいんだってさ」


勝ち誇ったように笑われ、悔しく思っていると、それを見ていたらしいもう一匹の猫が私の元にやってきた。


正座を崩したような状態で座っている私の太ももの上に、軽々しく乗る猫。