腹黒王子のいいなり。



「見て見て、猫がこっち見てる!」
「知ってる」
「早く行こう」


まずはお店の人に飲み物を頼んでから、私は猫を触りに行く。

「ふわふわしてる……!」


猫に触れたのは、本当にミイ以来だ。
ふわふわしている毛の猫もいれば、スマートな猫もいる。


たくさんの種類の猫がいる中に囲まれるだなんて、なんという幸せだろう。


「雅も触ってよ、ほら!かわいいから」


その中の一匹を抱いて、雅に見せる。
雅は一度だけため息をついたあと、ようやく猫を撫でた。


私に抱かれている猫は、雅にも頭を撫でられて、気持ち良さそうに目を細めている。



「癒されるなぁ」
「……お前さ」

「何?」
「かわいい表情しすぎ」

「は?」
「猫よりお前のほうがかわいい」
「なっ……に言って……」


今ここで言う言葉じゃないし、第一猫のほうが何十倍もかわいいに決まっている。