腹黒王子のいいなり。



「キスしてほしいなら別に苗字で呼んでもいいけど」

「み、雅雅雅……」


呪文のように雅と連呼する私。
じゃないと絶対に菅原と呼んでしまう。


「……ははっ、必死」
「だって慣れないから」

「うん、だからこうでもしないと呼ばないだろ?」
「そう、かもしれないけど」


だって、菅原と呼ぶたびにキスは難易度が高い。


「菅原って言い慣れてるから、咄嗟に雅って出てこない」

「ならキスされるしかないな」
「が、頑張るけど……」


これからはちゃんと意識して雅と呼ぼうって思った。


「ねぇ、すが……雅」
「ふっ……何?」


早速私が菅原と呼びかけたのを見て、小さく笑われてしまうものだから恥ずかしい。


「今日は猫カフェ行っていいの?」
「……本当は嫌だけどな、行きたいだろ?」

「行きたい!」


だって、大好きな猫に囲まれたいのだから。