腹黒王子のいいなり。



「ご、ごめん……雅」
「何?」

「なんか怒ってる……?」


さっきから言葉遣いが荒いというか、不機嫌というか。

そんな菅原が不自然に見えて、心に引っかかる。


「怒ってる」
「なんで?」

「お前が人前でそんな格好するから」
「どんな格好……?」


あ、もしかして肩出してることかな?
それは私だって恥ずかしいのだけれど……。


「こんな姿、他の奴らに見せたくない」
「えっ……」

「ひとりでよく外歩いたな。夜なら襲われてるぞ」
「菅原、何言って……」

「夕美」
「……っ!?」


突然の名前呼びに、胸がドキッと高鳴る。
菅原は不意打ちで私の名前を呼んでくるのだ。


「な、何……」
「今日は俺のそばから1秒も離れるな、そうじゃないと猫カフェには行かさない」

「えっ……なんで?」
「返事」

「わ、わかった……けど」
「あと、今日は俺のこと苗字で呼んだ分だけキスするから」

「なっ……!?」


菅原と呼ぶたびにキスだなんて、そんなの無理だ。
考えただけでも顔が熱くなってしまう。