「あー、わかったから黙れ」
黙れって、ひどい。
都合が悪くなった時だけそう言うのだから、余計にひどい。
だけどそう言われてしまえば黙るしかなくて、じっと菅原を見つめた。
「お前、どうしてほしいわけ?」
菅原に額を合わせられて、また距離が近くなってしまう。
ドキドキと胸が高鳴る中、恥ずかしさを抑えるようにしてぎゅっと目を閉じた。
こうされるのは嫌じゃない。
ただ、恥ずかしいだけ。
菅原のそばにいると、自然体でいられてすごく気が楽になるのが本音。
「目閉じるな」
「む、無理……」
「拒否するんだ?」
うう……また菅原は意地悪を言う。
もちろん私は、拒否できるはずがなく。
素直に目を開けると、視界いっぱいに綺麗な菅原の顔が映った。
一瞬で顔が熱くなって、耐えられなくなる。



