「良かったってなんでだよ?」
「なんでって……まだ菅原といられる、から」
本当のことを言っただけなのに、なぜか黙ってしまう菅原。
「……はぁ」
かと思えばため息をつきながら、またベッドの上に腰を下ろす。
「菅原?」
私と視線を合わせようとしない菅原が気になって、彼の隣に腰を下ろした。
私が名前を呼んでも、菅原はこっちを見てくれないし反応もしてくれない。
それどころか目を閉じて、また息をついてしまう。
不安になって肩を突っついてみるけれど、菅原はこっちを見てくれない。
「菅原」
もう一度名前を呼びながら突っつくと、ようやくこちらを向いて手首を掴んできた。
「うるさい」
「だって菅原が無視するから」
「耐えてんの」
「変なこと言う」
我慢だの耐えてるだの、何に対してかわからない。



