途端に静かになる部屋。
沈黙が流れる。
なんとなく気まずくて、菅原に話しかけようと口を開いた。
「あ、あの菅原……」
「お前はクソ鈍感だけどさ」
すると菅原は、私の言葉を遮るようにして話し出した。
「えっ……?」
「お前の親は先読みしすぎなんだな」
先読みしすぎ……?
よくわからなかったから、反応に困ってしまう。
「な、なんかごめんね……」
私のお母さんに巻き込まれた様子の菅原。
なんだか申し訳なくなる。
「いや、別にお前が謝る必要はないけど」
「えっ……嫌じゃないの?」
「嫌って何が?」
「お母さんに巻き込まれちゃったから」
「そんなんで嫌とか思うわけねぇだろ」
菅原はそう言って笑ったから、どうやら本当に嫌じゃないようだった。
「良かった」
嫌がっていない菅原を見て安心したのと、嬉しい気持ちが同時に胸に広がる。
だってまだ菅原といられるからだ。



