「そっか、夕美もね、そうだよね……よしっ!
せっかくだしあなた、ご飯食べて帰らない?
名前はなんて言うの?」
ご、ご飯!?
そんなこと言ったって、菅原も帰らないといけないはずだ。
それに饒舌なお母さんは、きっと菅原に話しかけまくって、迷惑をかけかねない。
「お母さん、ほら……菅原も帰らないといけないだろうし」
「菅原……菅原くんって言うのね。
今日この後は予定あるの?」
「いや、予定はないです」
「じゃあ食べて帰りましょう!」
「ご迷惑でなければ、ぜひ」
菅原は相変わらずさわやかな笑みを浮かべ、自分を取り繕っている様子。
「迷惑じゃないわよ〜。
すぐ準備するからゆっくりしてて!」
お母さんは菅原の言葉に対し、嬉しそうに言って部屋を出て行ってしまった。



