腹黒王子のいいなり。



こんな優しくてかっこいい人が、人気者にならないわけがなかった。

私なんかと全然違う。

明るくてさわやかでにこやかな上に、見た目通り優しい人で接しやすい。


そんなの人気が出て当然だ。
女子の心も掴むに決まっている。

さすがは“王子さま”という異名がつくだけあって、完璧だ。


ぜひとも見習いないけれど、私に菅原と同じことなんてできない。


そもそも笑顔をつくるという最大の難関が、私には立ちふさがっているわけだし。



諦めて、私は板書に取りかかる。

5分ほどでノートに書き写し終わり、今度は教科書の問題を解く。


問題があるのは次のページだったから、めくろうとすれば菅原も同じことを考えていたらしく。

少し手が触れ合ってしまった。


「……あ、ごめん」

私は軽く謝り、ページをめくって問題を解き始めたのだけれど……なぜか隣から視線を感じた。