腹黒王子のいいなり。



それに、今私のこと名前で呼んで……。


その事実に気づいた私は、なんだか恥ずかしくなってドキドキしてしまう。

名前で呼ばれただけなのに……変なの。
こんなにドキドキするだなんて。



「……え、い、イケメン…何このイケメン、えっ夕美どういうこと!?」


ひとりで照れていると、お母さんの声が聞こえてきて、はっと我に返った。

ドキドキしている場合じゃない。

まだ腰抜け状態のお母さんを助けようとベッドから降りたけれど、その前に菅原が気づいてお母さんに手を差し伸べる。


「立てますか?」

そのさわやかな笑顔に、お母さんはすぐ虜になってしまったようで。

迷わず菅原の手を取った。


なんだか、嫌な予感がする……。


お母さんは菅原の力を借りて立ち上がったかと思えば、彼の手を掴んだまま話し出してしまう。


嫌な予感はやはり的中したようだ。