「……っ、菅原……」
「…………」
菅原と呼んだのに、彼は一切反応を示さない。
離れようとしても頭を固定するかのように、また優しく両頬を包まれているため、それができなかった。
「菅原、恥ずかしい」
「…………」
「ドキドキして耐えられない」
「…………」
何を言おうとまったく反応してくれず。
少し変に思った私は、菅原の行動の意味を考えた。
……あ、わかったかもしれない。
さっきの話の流れからして、多分菅原は私が彼のことを名前で呼ぶまで話してくれないのだろう。
またさらにドキドキし始めるけれど、この状況のほうがやばい。
心臓が持たなくなる。
ぎゅっと目を閉じ、勇気を振り絞った。
「……み、雅……ドキドキして、胸が苦しいから離してほしい……」
下の名前で呼ぶのがこんなにも恥ずかしいことだなんて、考えもしなかった。



