「ん?菅原、どうしたんだ。
いきなり立ち上がって」
左隣を見れば、なぜか菅原は立ち上がっていて。
先生は不審そうに菅原を見つめる。
すると今度は自分の机を私の方へと近づけていた。
え?
菅原は何をしているの?
謎の行動に戸惑っていると、完全に机がくっつけられる。
「俺、教科書忘れたんで春坂さんに見せてもらいます」
そのひとことで、クラスがざわっと騒がしくなる。
「どうして菅原くんが……」
「雅、春坂さんに借りるとか度胸あるな」
なんていう声が聞こえ、とても申し訳ない気持ちになる。
それに菅原も忘れたのか、教科書。
でも私も忘れてるから貸すことなんてできない。
本当のことを言おうと思い、意を決して菅原な方を向けば、彼は何やら机の中に手を入れていた。
かと思えば、その机の中から教科書を取り出す。
菅原が机の中から取り出したのは、なんと数学の教科書だった。



