腹黒王子のいいなり。



「手が……」
「手が、何?」

ここまで言ってもわからないだなんて、絶対におかしい。


「離してほしい」
「なんで?」

「は、恥ずかしいから……」

「おかしいな?初めて触れた時は表情ひとつ変えなかったのに。今じゃ顔真っ赤」


そんなの、頬に触れられただけでキスされるだなんてわかるはずがない。



「今は違う」
「じゃあなんで恥ずかしい?」

「そ、れは……」


最後まで言わせる気だ。
菅原は私をどうしたいのだろう。


「ちゃんと言えたら離してやるよ」
「本当?」
「ああ」


じゃあキスされずに済むってことだよね?

恥ずかしいけれど、キスをされるほうが恥ずかしいため、素直に口にした。



「キスされる、から……恥ずかしい」

ちゃんと菅原の目を見つめて言う。
その間も胸はドキドキとうるさくてたまらない。