「ああ、複雑。本当は全部独り占めしたいのに、偏見を持ってる周りにも、お前はいいやつだって見せつけてやりたくもある」
「でもそれは私のことであって、菅原には何の危害もないっていうか……」
「お前のことを見た目で勝手に決めつけられてるのが嫌だから。お前こそ、噂とか全部嫌じゃないわけ?」
……嫌だよ、本当は。
何度も否定しようとも思った。
だけど、否定できる友達すら私にはいなくて、そしたら勝手に噂が広まっていってて……。
「……っ」
勝手に涙が溢れてきた。
菅原は全部わかってくれていたうえに、彼自身もそう思ってくれていて。
「ほら、本当は泣くくらい追い詰めてたんだろ?」
菅原の声音はひどく優しいもので。
頭の上に手を置かれ、ぽんぽんされながら優しく声をかけてくれた。



