「……なんでいきなりこんなこと」
「んー、甘えたい気分」
こんな風に、密室な空間でふたりきりって初めてだったから、いつもより余計に胸がドキドキしてしまう。
なんだか、菅原の声がいつになく低く甘い気がした。
「菅原がそんなこと言うなんて、珍しい」
「それは偏見だな」
菅原が耳元で話すから、息がかかってくすぐったい。
だけど今さら抵抗したり、動いたりだなんてできるはずもなく、じっとおとなしくする。
「……今日、ちゃんと自分の気持ち伝えられてたな」
そしたらまた、菅原が口を開いた。
自分の気持ち……多分、野村に対して言った時のことだ。
「だって菅原が断れって……」
「でも、ちゃんと友田のことを考えての言葉だっただろ?」
「そ、そうだけど……」
「なら自分の気持ちも言えたってことだろ」
成長したな、って言って頭を撫でられる。
甘えられているはずなのに、私が甘やかされてる気分だ。



