腹黒王子のいいなり。




ーーー帰りの電車では、特にお互いが何かを話すわけでもなく、私の降りる駅に着いた。


電車を降り、改札を通る。

いつもはひとりだから、隣に菅原がいてなんだか違和感しかなかった。



そんな中歩いていると、途中で菅原が通っていたという南中学の制服を着た男の子ふたり組みとすれ違った。


その制服を見て真っ先に思い出したのは、あの雨の日の出来事。

ミイの飼い主を探していて、泣いていた時。
救世主のように現れた南中の男子が、そのミイを引き取ってくれたのだ。



「……ねぇ」

人気者の菅原なら何か知っているかもしれないと思い、聞いてみることにした。


「どうした?」
「私さ、南中だった男子を探してるんだ」

別に探しているわけではなかったけれど、聞きやすいようにそう言った。


「……へぇ、なんで?」
「中2の時にね、猫が道に捨てられてて……」


思い出しただけでも胸が痛む。
小さい仔猫のミイが、健気に鳴いていたその姿に。