「……ミイ、大丈夫だった?」
私は仔猫の名前を呼びやすいよう、勝手に『ミイ』と名前をつけた。
だけどミイは気に入ってくれたらしく、名前を呼べばすぐに反応してしてくれた。
「みゃー」
ミイは嬉しそうな顔をして、怪我はしていない様子だったから安心する。
だけど雨で濡れたせいか、毛が水分を含み、重く体にくっついていた。
急いで鞄からタオルを取り出し、ミイに被せた。
するとひょこっとタオルから顔を覗かせるミイは、本当にかわいい。
「ごめんね、朝から雨に濡れないよう傘置いてあげればよったね」
朝は雨が降っていなくて、油断していた。
そのせいでミイは濡れてしまったのだ。
タオルで体を拭いてあげると、ミイは驚くほど小さくて、日に日に痩せているような気がした。
ご飯もあまり食べなくて、心配になる。
「みゃー……」
そんなミイの体を拭きながら、気づけば目から涙が溢れていた。
そんな私を心配そうに見つめ、鳴いているミイ。