ビーチフラッグ対決が終わり、ビーチバレーをしていると、あっという間にレクリエーションの終了時刻になった。
私自身も本当に楽しくて、帰るのが名残惜しかったほどだった。
「結局春坂さんの笑った顔、一回しか見れなかったなぁ」
なぜか私の笑顔がもう一度見たいらしい野村が、何度もボケたりして笑かそうとしてきたけれど、もちろん笑えるはずもなく。
解散する前、すごく悔しそうな顔を野村にされてしまった。
「そんな見る必要ある?」
私の笑顔が見たいだなんて、どうかしてる。
きっと、私の隣にいるひなこの笑顔が見たいの間違えだろうと思った。
「あるから!あの春坂さんの笑顔の破壊力と言ったら……」
「春坂さん」
その時、少し離れたところから菅原に名前を呼ばれた。