えっ?
わけがわからなくて、ひなこを見るけれど、彼女も目を見張って固まっていた。
な、何この空気。
もしかして私が空気を悪くしてしまったのだろうか。
そう思い、不安になったその時。
「わ、笑った……」
大きく目を見張った野村が絞り出すような声をだす。
笑った?
そんな単語だけ言われても理解できない。
じっと野村の次の言葉を待っていたら。
「春坂さんが笑ったぞ……!笑った!」
「初めて見た……!待って、すごくかわいいくない?」
えっ、私のことを言っていたの?
どうやらみんな、私の反応を見てこんな空気になったらしいけれど。
野村が口を開いてから、また空気があたたかくなった気がして安心した。