そんな全身砂だらけな野村だったけれど、無邪気な笑顔を浮かべていて誰よりも輝いているように見えた。
周りもこの状況を見て、笑っていた。
この空気、嫌じゃないし、逆に温かい。
思わずひなこのほうを向けば、彼女もほぼ同時に私のほうを向いて、目があった。
それから少しの間、互いが固まったあと。
今のこの状況に私たちもこらえきれなくり、どちらからともなく笑ってしまった。
「本当に野村の行動力ってすごいなぁ」
有言実行したのだ、本当にすごい以外の言葉が見つからない。
本音をぽろっと呟いただけなのに。
なぜかひなこからの返事はなく、さらには周りの空気が変わったことに気がついた。
パッと周りを見渡せば、なんと野村たちに向けられていたはずの視線が、今度は私たちに向けられる。
