腹黒王子のいいなり。




「俺の願いを聞いてくれ、ひなこちゃんっ!」


その言葉で視線が一気にひなこに集まる。
それに慣れないひなこは、私の後ろに隠れてしまった。


その行動がかわいいなぁ、なんて思いつつ、私も視線が感じるのは嫌なわけで。

じっと周りを見渡せば、あっという間に視線をそらされてしまった。


しかも怖がっているというか、気まずそうにそらしてくるものだから、さすがの私でも傷つく。

もちろん顔には出さないけれど。


「春坂さん怒らないでくれよ、そんなに……ほら、ひなこちゃんとお近づきになりたいんだ俺は。頼むっ!ひなこちゃんを俺にくれ!」


いや、そんなこと私に言われても困る。
そもそも怒っていない。

なのにそんなことを言われると、頷くしかない。
そう思った瞬間。


菅原との会話を思い出した。

次は必ず断れって。
断らなかったらキスしていいって、私自身言ってしまったのだ。