「春坂さん」
すると今度は、また菅原に声をかけられた。
お前って呼ばれるのに慣れていたから、今さら名前で呼ばれると違和感しかない。
「何?」
「今度は野菜食べたい」
「あっ、うん……でも野村は」
「悠はなしでいいよ。自分で勝手に食べるから」
何故だろう。
声はすごく柔らかいはずなのに、圧を感じるというか、なんというか。
さわやかな笑みを浮かべる菅原は、どこか怖い。
「う、うわぁ……雅が怒ってる。
春坂さんって、結構なやり手だな……雅を操るなんて」
怒ってる?
やっぱり菅原、怒ってるの?
理由は分からなかったけれど、圧を感じるのは間違いじゃなかったらしい。
だけど考えたところで理由はわからないから、また菅原に串を差し出した。



