腹黒王子のいいなり。



どうすればいいのか、私にはわからなくて。

そもそも断り方を知らない私は、素直にそれを受け取った。


「……ありがとう」

俯き加減で勇気を振り絞りお礼を言うけれど、野村から返事はなく、顔を見上げる。


すると野村はこれでもかというくらい驚いたように目を見開いて固まっていた。


「野村……?」

「お、おおお……!見たか!?おいみんな見たか!?春坂さんが俺のチョコを受け取った……!

もしかして男として認められた!?
恋愛対象になったりする!?」


「は……?」


野村はいったい何に驚いているの?
私がチョコを受け取ったことに驚いている?


周りを見れば、ほとんどの生徒がこちらに視線を向けていて。

誰もが驚いた表情をしていた。