腹黒王子のいいなり。



「あっ、野村くんおはよう!」


ひなこは目をつけられていることに気づいているのか、気づいていないのか。

わからなかったけれど、私に抱きしめられた状態で顔だけをひょこっと覗かせ、野村に挨拶をした。


「あ、朝からかわいすぎるひなこちゃん……おはようっ!さあ春坂さん、どうか雅とイチャイチャしてひなこちゃんを離してほしい」


す、菅原とイチャイチャって……そんな関係じゃないのに。


だけど、そう言われたからには仕方がない。
渋々ひなこを離す。


「ひなこちゃん、ほら、ふたりの邪魔をしたらいけないからあっちに行こう」

「あっ……本当だ。夕美ちゃん、幸せにね!」


うっ……そんなかわいい笑顔を浮かべられたら、嘘でも笑って曖昧に頷くしかない。