腹黒王子のいいなり。



「何?まだ喋ったらダメだとか思ってんの?」
「……いいの?」

「お前って、素直すぎて俺が怖いくらいなんだけど。本気で引くレベルだな」

「だって破ったらキスしてくるから……」


それなら従うしかないじゃないか。

第一菅原は、好きな人がいるのに他の女子と簡単にキスできちゃうの?



「キスしたら照れるくせに嫌なんだ?」
「だから慣れてないだけ……」

「まあいいけど。お前が何しようが、キスするのは俺の気分次第だから」


す、菅原の気分次第って……ちょっと不公平じゃない?

破ったら破ったでキスしてくるのに変わりはないくせに。やっぱり菅原はずるい。


「拗ねるなよ。もうすぐ海着くのに」
「そ、それは楽しみ……」

「さっきあんなに目輝かせてたからな」
「だって久しぶりに来るから」


もうすぐで集合場所に着くから、もう顔に出ないよう気を引き締めなければ。


そう思いながら、私は菅原の隣を歩いていた。