「残念だったね、悠」
“王子さま”と呼ばれる優しい雰囲気を纏った彼の名前は、菅原(すがわら) 雅。
今日も爽やかな笑顔でみんなと接している。
そしてもうひとりが、明るい調子で教室に入ってきて、クラスのみんなからいじられるムードメーカー的存在の野村 悠。
このふたりはクラスで中心的な人物であり、中でも菅原は先輩後輩関係なく人気者だ。
菅原に少しでも存在を認識してもらおうと奮闘する女子は数知れない。
「くそー、みーんなイケメンを取るよな。
その事実を受け止めてるからもういいけど。
……おっ、春坂さん今日も綺麗だな!
はよーっす!」
そんな中、突然野村に声をかけられる。
だけどこれにも慣れっこだ。
実は私の席の左隣、つまり窓際で一番うしろの席は、なんとあの菅原なのだ。
さらに菅原の前の席は野村で、この席になってからこうやって野村に話しかけられる。
うざいとかそんなの絶対思わない。
むしろみんなと仲良くなれるチャンスなのだ。



