腹黒王子のいいなり。



この席になってまだ1週間ほどしか経っていないのだが、さらにもうひとつ、この席にはいいことがある。
それは……。


「おはよーっす!」
「悠(ゆう)、朝から騒がしいよ」

来た。
この声は間違いない。


私の学校には“王子さま”と呼ばれる男子が存在する。


容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。
さらには人当たりもよく、優しくてまさに“王子さま”という呼び名がぴったりな男子だ。


教室のドアに視線を向ければ、“王子さま”である彼を含めたふたりの男子が教室内に入ってくるところだった。



「雅(みやび)、お前ひどすぎだろ!
朝から明るく行かねぇと、一日生きていけないだろ!」

「雅くんのいう通りだよ。
野村(のむら)、あんた朝からうるさすぎー」
「そーだそーだ」

「なっ……!お前ら雅の味方して、ひどいぞ!」


す、すごい。
このふたりが教室に入ってくると、空気が変わる。


なんというか、クラスに統一感ができて、温かい空気になるのだ。