ドキドキと、胸が高鳴る。
なんだろう、この気持ち。
菅原の真剣な眼差しから、目をそらせそうにない。
「それで?」
「えっ……」
真剣な表情だった菅原が、口角をあげて悪そうな笑みに変わった。
また嫌な予感がする。
「お前、また喋ったけど、そんなにキスしてほしいんだ?」
「……っ!?」
すっかり忘れていたというよりか、つながれた手を離してほしい気持ちのほうが強かったのだ。
「ち、ちが……」
否定して、菅原から離れようとしたのだけれど、腰に手をまわされてしまい逃れられなくなる。
「目、閉じろよ。
キスする時の基本な」
「基本……」
そうなの?
いや、そりゃ恥ずかしくて目なんか開けられないけれど。