腹黒王子のいいなり。



「ダメ?」

じっと菅原を見つめる。
こっちだって簡単に折れることなんてできないのだ。



ただでさえ菅原といれば視線が痛いというのに。

「それ、わざと?」
「は?」


わざとって、何が?

菅原はわけのわからないことを言って、話を逸らそうとしているの?


「わざとじゃなくて、菅原も嫌じゃないの?
こんな私といたら自分の人気落ちるかもしれないけど」

「いや、好都合だな」
「好都合?」


それだと今まで“王子さま”を演じてきた意味がないじゃないか。



「普通に考えて、こんなことで人気落ちるわけないだろ。ただうるさく騒ぐ女が減るだけで、好都合。

それに……」


不意をつかれたかのように、突然菅原は私の手を自分の方へと引いた。

自然と足が前に出て、菅原の方へと倒れこむ。



「今はお前だけで十分」

顔を上げてみれば、菅原と視線が交わった。

菅原に抱きとめられた体。
そのため、ふたりは密着状態になる。