腹黒王子のいいなり。



「……菅原」


どうしても許せなくて、私は彼の名前を呼んだ。
思った以上に低い声が出て、自分でも驚いた。



「……どうしたの?」

周りは私の声を聞いて、一瞬にして恐れたように静まる中、菅原だけはにこっと笑っている。


「……来て」
「え?教室に入らないの?」
「いいから来て」


今の私には、周りに恐れられようが関係ない。
それぐらい、菅原が許せなくて場所を移そうと思った。



ふたりで話せる場所。

中庭が絶好の場所なのだろうけれど、朝の登校中に誰かが通る恐れもあり、図書室のある最上階までやって来た。


朝に図書室はまだ開いていない。
そのため利用する人はもちろんいなくて、ふたりで話すにはちょうど良かった。