本当にひなこが友達で良かったといつも思う。
私にはもったいないくらい、とにかくいい子なのだ。
ふたりで教室に向かう。
その途中に誰かとすれ違うものなら、相手は必ずと言っていいほど怖がった様子で視線をそらし、廊下のギリギリ端を通って移動する。
そこまで怖いかな……それとも避けられてる?
気になって振り返ってみると、私とすれ違った相手が安心した表情を浮かべていたのがちらっと見えた。
つまり、怖がられているのだ。
さすがの私でも顔には出さないが、へこんでしまうに決まっている。
心の中でまたため息をつきながら、教室へと向かった。
教室に入れば、ひなことはお互い席が離れていて、それぞれ自分の席へと向かう。
私は窓側から二列目の、一番うしろの席だった。
一番うしろなのは本当に救われた。
だって真ん中の席だと、いつも通り過ごしていても怒っていると勘違いされ、周りに怯えられるのだ。
その分一番うしろだと、視線が集まることはない。
そのため、周りをあまり気にせず過ごすことができる。



