腹黒王子のいいなり。



こんなことされて、余計目立つに決まっている。

それに菅原の評判も下がってしまう可能性だってあった。


「どういうこと……!?」
「なんで菅原くんが春坂さんといるの?」

「ついに雅が……」
「春坂さん、やべぇな」


ほら、早速周りが私たちのことで何やら話していた。


「離したほうがいいと思うけど」
「そんなことないよ」

「周り見て何も思わない?」
「予想通りの反応だよ?」


ダメだ、全然伝わっていない。
第一、手なんかつないでいたら誤解されてしまう。

付き合っているんじゃないかって。


まったくもってそんな関係じゃないというのに。
手を繋ぐだなんて、恋人同士がやる行為だ。



「誤解される」
「……これは誤解されるってわかったんだね」

「は?何言って……」


私が口を開けたその時。
突然肩に手をまわされ、グッと抱き寄せられる。



「……電車の中での密着状態のほうが、誤解されるって思わなかったんだ?」


私の耳元で、それだけ囁くように言ったあと、菅原は私から離れた。

もちろんまた手はつながれたのだけれど。