腹黒王子のいいなり。



「私って、みんなが思ってるような人間じゃないから」

本当はただのよわむし。

まだ菅原とふたりきりじゃないのに、口からぽろっとこぼれてしまった本音。


それだからだろうか、菅原は黙ってしまう。
早速引かれたり、呆れられたのかな……。

そう思ったら怖くて菅原の顔が見れず、俯いていると。


「……お前って、まじで口下手なうえに甘え下手なんだな」

やっぱり菅原はため息をついた。

泣きたくなる気持ちを必死で抑え、顔に出ないよう努めるけれど、内心はぼろぼろ。


『ごめん』
きっと不快な気持ちにさせてしまったから、謝ろうとしたら。


ぎゅっと、腰にまわされた手の力がさらに強くなった気がした。



「す、菅原……」
「そういうことも全部、俺とふたりきりの時に言えよ」

「ごめん…」


やっぱりそのことについて指摘されてしまった。

どうして私は、菅原と交わした約束ひとつ守れないんだろう。