「……うん、やっぱその反応のほうがいい」

楽しそうな菅原の声。

私の反応を見て楽しんでいるのだろうけれど……私はいったいどんな顔をしているの?


「あっ、ひとつ春坂さんに言い忘れてたけど」

まだ腰にまわされた手が離されないまま、何かを思い出したように菅原が口を開いた。


何を言われるのかわからなかったけれど、嫌な予感しかしない。



「みんなの前では、そんな顔一切しないこと」
「えっ?」


そんな顔?
言っている意味がわからない。


「わかった?」
「わ、わかった……けど、意味がわからない」

「……意味がわからないのに返事するとかバカだろ」


ば、バカ……菅原が暴言を吐くだなんて誰が想像できただろう。