「菜摘ー!」
微かに聞こえる母の呼びかけに、
私はパッと目を開ける。
気持ちよく伸びをしてから、体を起こして時計を見ると、時刻は7時ちょうどを表していた。
「あー!!よく寝た~!
…ってさむ!!」
ベッドから出ると一気に感じる気温の低さ。
まぁ、真冬だから当然なんだけど。
「早く着替えよう…寒すぎる~~」
寒いからって動かなかったらいつまでも寒いまま。
そう自分を奮い立たせて、
私は、テキパキと制服に着替える。
そして、洗面所へ向かうため、階段を一気に駆け下りた。
「つめたっ!」
洗面所へ行き、冷水で顔を勢いよく洗う。
凍てつくような冷たさが一気に顔中に広がり、無理やり起こしていた目が一気に覚めた。
一日の始まりを連想させるこの感覚が、実は嫌いじゃない。
濡れた顔をふき取り、髪の毛を整える。
胸くらいまで伸びている髪の毛は、寝癖があまりつかなくて、軽くクシをかけるだけでストレートになるの。
ちょっとだけ、私の自慢だったりするんだ。