卒業式の祈り

「サラ、言い忘れてたことがあるんだ」

「ん?」

3メートルほど先を行く彼が愛おしそうに私を見つめている。

「いま、俺がここにこうしていられるのは、全部サラのおかげだから」

その口調は真剣なものだった。

「三井くん」

「サラ、ありがとう」

「うん」

彼の言葉の深さに、私の目頭に熱いものがこみあげてきた。

「これから、俺の一生をかけて、返していくつもりだから」

そう宣言してくれた彼の綺麗な笑顔が、まぶしかった。

「三井くん」

私の方こそ、どんなにあなたに感謝しているかしれないのに。