「サラ、起きてよサラ。卒業式始まっちゃうよ」 目を開けると、ユキナの心配そうに私を見つめる顔がすぐそばにあった。 その後ろには数名のクラスメイト達が私の起き上がる様子を見て安堵していた。 急にいなくなった私をみんなで、探してくれていたんだろうか。 「サラ、行こう。三井くんの代わりに卒業式に出席しようよ。彼の卒業証書も、病室へ届けてあげてよ」 「うん」 私は頷き、立ち上がろうとして、首元のマフラーに手をやった。