ただ、君を守りたいだけ。

驚くことに最近は絡まれることも無く、平凡な毎日を過ごしていた…

と言いたいところだが、如月仁という存在のせいでなかなか平凡ではなかった。

「あーーーーもうなんなんだよお前はァァ!!こんな所で会うんじゃねえよォ!!!!」

「俺だって屋上くらい来るわ。たまたまだろ……」

腹立つなぁ、こいつ。
やけに違う意味で絡んでくるのはこいつだった。

「あぁあもう!!あたし購買行く!じゃあな如月!」

「……」

くるっと踵を返してそう放った。
すると突然ぐいっと腕をひかれ ガシャン、と背中に衝撃が走る

「ッ!?」

「…避けんなよ」

「…ん、だよ」

「んー、壁ドン?」

マジトーンで言いながらあたしの目をまっすぐ見据えて離してくれない如月。

これ…壁ドンって言うのか。あたしの知ってる壁ドンはこんなんじゃねえけどな

「壁ドン…ってさ、隣人がうるせえ隣人に対して壁殴るやつじゃないっけ?」

「…はぁー……こういうタイプもあんの。お前、ほんと女子力ねえのな」

「悪かったな」

言われてみればこんな体制のシチュエーション見たことあるな。これでキュンとする?って言うのか。ありえねー

「てかどいてくんね?ここに居るから。」

「ならいいや。」

意外とすんなりと離れてくれた如月は、あたしの横に座り込んだ。

あたしはそのまま柵にもたれかかって 如月を見る。
如月は視線を感じとったのかちらっとこっちをみた

「…おめえ、いつも女子が周りに寄ってたかってるよな しんどくねえの?」

「…実はまじだりぃよ。ファンクラブとか勝手に作ってくれちゃってさぁ…俺がモテてるのは分かってるけどな」

「うっわぁ最後の一言余計だな」

なんて会話をする。
にしても、本当に女からモッテモテなんだよな 如月は。そりゃあマジでイケメンなんだもん。

「マジでここって顔面偏差値高ぇよなぁ。おめェもあたしに絡んでないで女の子と遊んでやれっつーの」

「それとこれとは別っしょ?俺は桜庭みたいな奴 他にいないからもっと知りたいだけっての?」

なんて言って、如月は笑った。
なんでそこまで…なんでそこまで、あたしに。

「…ご自由にどーぞ。あ、あと___」

如月に続きを言おうとした時、スマホから着信音がなった。

この音はこれまた私達Phoenixのみんなで一緒に設定してる音だから、私の携帯だ。

見ると相手は春川咲夜(ハルカワ サクヤ)だった。
大輝の同期で 私をしたってくれている、Phoenixの1人だ。

「ごめん、如月。

はい、どーしたさくや__」

「姉貴!!!!大輝が!!!大輝がやられて!!今俺も隠れてるんすけど…結構やべぇっす…!!!」

電話越しに聞こえるのは焦った声と悲報だ。
…誰が狙った?

「今どこだ、誰にやられた?とりあえずすぐ行くから場所言え!」

「場所は いつもの繁華街の路地う__あぁぁぁぁぁぁッ!!!」

「は!?咲夜!おい!?」

途切れて、直後聞こえた悲鳴を最後に電話はプツッと切れ、何も聞こえることがなかった

「くそっ…!如月、わりぃ担任に早退するって伝えといてくれ!」

と如月に吐き捨てて駆け出した