ただ、君を守りたいだけ。

「てかお前 なんでここが分かったん?」

ふと浮かんだ疑問を如月に問う。

「…いやお前の電話聞こえてたし。」

それにこいつは 当たり前だろ って感じの真顔でさらりと答える。

「あー、そーゆー事。」

「ん。終わった おら、送ってやる。」

手早く救急箱を閉じてポケットに入れた。
すげえコンパクトなのに大容量とかなんなんだよこの救急箱、四○元ポケ○トか?

「手当は感謝するけど送ってもらわなくて結構なのでお帰りください」

「んでだよ、じゃ今立ってみろよ」

「おうやってやんよ」

なんであたしが立てないこと知ってるのかわからないけど、ムキになったあたしは 壁に手をついて立ち上がろうとする。

けどやっぱり体は正直なもんで、ガクッと膝の力が抜けて立てなくて、全身に痛みが襲った。

「はぁ…意地張ってんじゃねぇって。ちょっとじっとしてろや」

分かりきったように呆れた様子でそう言った如月は、私の背中と膝裏に手を回してそのまま抱き上げた。……ん?は!?

「は!?おま、下ろせ!!!いって…!おい如月!!離せって!!ぶっ飛ばすぞ!?」

「ならやってみろよ。どーせ立てないくせに強がるなっての。」

繁華街に繋がる方とは逆向きに歩き出した。このまま行けば住宅街に繋がるから、会えて気遣ってくれたのか?

「クソっ!!!お前明日ぶっ飛ばしてやっかんな!」

「はんっ、なんとでも言え。お前はむやみに人を殴ったり出来ねえの、俺知ってるしな」

勝ち誇ったように笑った奴がウザかったので、最大限まで加減を入れたビンタをくらわせた。

「いって。手抜いてそれか、お前やっぱつえー」

「次は加減しねえかんな!このクソヤローめ!」

如月は背が高いから、少し下を見ると普段より高く感じた。

不覚にも、心臓がうるせぇ。なんだこりゃ。
被ってたフードを目深く被る。

「んだ?桜庭も照れんのか」

「照れてねぇわまじではっ倒すぞ!?」

「悪かったって」