私は絶対に泣かないと決めている。


私は部活で、最後の試合に負けた時も、引退


の時も、泣かなかった。少し泣きそうになっ


たとしても、お得意の天然キャラで誤魔化し


た。


「ユノって冷たいね」


それは、私にとっては褒め言葉だった。少し


カッコいいとも思っていた。


何かに熱くなっている人を見ると、私は凄く


恥ずかしかった。


その気持ちは今も健在だ。


泣きじゃくる人を見て、どうしてこんなので


泣くの、という“もやっと”した感情は、本当


の自分の感情なのかわからないが、心に霧の


ようにかかる。だがやはり、少し泣きそうに


なる気持ちを、『私は泣かない』と抑え込ん


だ。