転生って何?ここはどこ…何死んだ。俺は死んだのか?あれ…三途の川ってどこ?てかなんだこの街見たことないぞ。俺はよく分からない街に来ていた。

「お目覚めですか?」
そう俺に言っているのはメイド服のようなのを来ている金髪の少女だ。多分15.6で若い位だと思った。てか俺より歳下?みたいな?

「君は誰?てかここはどこなの」

「申し遅れました。私はイノセント王国、王のメイドを努めます、アリアと申します。」

ア、アリア!?どういうことほんとにここは異世界なのか!?

「ア、アリア…ここはどこなんだ教えてくれ。俺は一体何を」

「吹雪様、貴方は先程死にました。後輩を助ける為自分自身を犠牲にして死にました。記憶にないのは転生時の損傷が原因かと、時期に戻ります御安心を。」
「死にました。ってどういうことだ。俺はあの時何を…後輩ってまさかっ!?」
「慎介様は今地上へ降りましたと御報告を受けました。ですが、芽依様は…行方不明となっております。」

俺は…待ってよ思い出せよ俺。何してんだよ。っ!?あの時俺は芽依を入口まで投げ出したはず…
「芽依は芽依は生きてるのか!?」
「わかりません。」
「妹はどうなった…妹の雪香は」
「雪香様は親戚の家にお世話になるようこちらで手配済みです。御安心を身の安全は保証致します。」
とりあえず今は一安心。まずは芽依がどうなったか調べる必要がありそうだ。現世に戻っても俺は下敷きになって動けなくなっている。どうにかして芽依の居場所をつきとめて慎介に伝えないと。

「吹雪様」
「な、なんだ…」
「貴方にはまず王国の後継者になってもらう必要があります。」
「王…だと?どういうことだ」
「詳しくはこの場では説明出来ないのでこちらへ」

俺はアリアに言われるまま馬車に乗り込んだ。そして1時間程揺られたのか着いた場所はイノセント王国アルバスタ城だった。

「ここは……どこ…なんだ?」
「アルバスタ城でございます」
「ここが…アルバスタ城なんとも言えない王国だな」
それは草原が広がり大きな城が立ち、今にもその城は俺にここへこいと言わんばかりの威圧感をしていた。
「こちらです。吹雪様」
俺は言われるままに入口を抜け10Fにある、主の部屋の前に立たされた。
「おい、待ってくれ説明してくれアリス」
「その前に主様に会っていただきます。会っていただければ分かります。」
「失礼します。主様、お客様をお連れしました。」

俺はその時言葉を失った。まるで目の前に妹が立っていると錯覚してしまった。よく似ている、いや本物ではないのか、と疑う程だ。
「お、俺の妹なのか」
「何を言っているお主。お主は誰じゃ。アリア」
「主様、この方が吹雪様でございます。私と一緒で転生してやってきた者でございます。」

転生……!?

「お、おい、今転生っていったよな?アリス」
アリアは吹雪に向けて説明を始めた。
実はアリス自身は、自ら命を絶った所に丁度ここの主が転生の魔法をしていた所たまたま来てしまい、主様に忠誠を誓うまでになっていたのだ。
「アリア、俺は、みんなはどこに」
「皆を助けたいですか?」
「おい、吹雪と言ったな。我は、アルバスタ城の主、ミミだ。」
「ミミ……!?その前に皆を」
「助けてやろう。その前にだ。私と契約を交わせ。そうしたら助けてやろう。」
「契約?」
吹雪は問いかけた。
「そうだ。ここの王になれ。なった後何をするかを決めるのは吹雪自身という訳だ。」
「王……でも皆が…」
吹雪は2人に言った。
「考えさせてくれ。」

吹雪は考えていた。助かる保証はあっても俺は現世へ帰れるのか。待てよ、帰っても俺は死んでいる。死んでいたら雪香が悲しむ。いやまて雪香から俺の記憶が消えたとしたら、雪香が悲しまずにすむ。俺だけが記憶を持っている。

「分かった。だけど条件だ。」
「なんだ。」
「妹の記憶から俺と言う存在を消してくれ。」
「なんだ、容易いことだ。消しても良いのか?吹雪、お前の記憶が消える訳では無いぞ。」

吹雪はミミにこう告げた。

「だって仮に俺が現世へ帰れたとしても俺という人物は死んでる。死んでいる事がバレれば雪香が悲しむ。それに皆に残らせないといけない理由もある。やらないといけないこともある。俺を少しでも1日でいい現世へ帰れないのか。」
「それは無理じゃ。」
「どうしてなんだ…だって俺は山岳部部長なんだぞアイツらを助けないと」

吹雪は焦っていた。このままじゃ、アイツらどころか妹まで心配にさせる、アイツは俺が居ないとこれからどうやって生きていくのか、家族を失って全てを失って…そんな事を考えていた。その時アリアが一言告げた。

「ミミ様、でしたら王になる代わりに先程言った現世への一時転生を約束してみては?」
「現世への…転生だと?」
「アリア!どういう事だ!?詳しく説明してくれ!」
吹雪がアリアに問いただした。
「おい、吹雪アリアは現世からやってくる時1つの魔法を手に入れたのじゃ」
ま、魔法!?吹雪はその言葉を聞いて言ってもたってもいられなくなりミミの胸ぐらを掴み大声で言った。

「魔法が使えるのか?教えてくれ頼む…」
その声には涙が滲んでいた。

「まあそう焦るでない。その魔法は魔力(エア)を使い使用する至って単純なものじゃ。」
「エ…ア?俺にも使えるのか…?」
「吹雪、お主は魔法と妹どちらを取るのじゃ、まあ戻れたとしてもじゃ、1度しか戻れず時間も限られてる、だが吹雪という記憶は抹消されるのじゃけど」
吹雪は悩んでいた。魔法を取ればもしかしたらその魔法で一時転生が出来るのではないかと…そう考えていた時何故かその言葉が口に出た。
「俺、魔法を取ります」

ミミとアリアは妹の所だと思っていたので驚いた表情で吹雪を見ていた。

「本当によいのか?」
「ミミ様まさか…吹雪様はあの禁術を」
「まあまあよいよい。王の座を譲る事を条件ならそんなの関係ないんじゃぞ」
「ミミ様あれは掟に反する術ですよ!?」
アリアは焦りながらあたふた言葉を投げかけたがミミは術の事なんか知らないように魔法を与える準備をしていた。

「俺、妹を助けます。魔法で助けられるのか分からないけど妹も友達も全員救います。お願いしますミミ様」
先程とは考えられない位落ち着きながら喋った。
「円環の理を知りし者、引き裂く大地に燃える天空、汝、その誠意なる言葉に真実を問う、お前は何を求める」

吹雪は目を瞑りながら胸に手を当て答えた
「妹を救うため魔法を取得したい」
ミミは最後の問いかけに対して自身の魔力を吹雪に預けた。
その時だった。俺やアリアが気づかなかった俺は全てを失った。

「…アルバスタはここ…だな。黄泉の門開け、そして闇に誓え、奈落の底に悲痛な叫びを聞けデビルズ・ジャッジメント・アブソルトゥリー」

そいつはミミの魔力と魂を持ち去って姿が消えた。たった10秒もかからないうちに消えたんだ。
「ミミ様…?吹雪!!!ミミ様が、魔力はどうした吹雪に」
「そうだ、ま、魔法が」
アリアは吹雪に言った
「胸に手を当て全身の力を手に集合させ叫べ、物を動かすように波動を出すのだ」
吹雪はやって見た。だが何度もやっても成功しないどころかビクともしない。
「あ、あれ…?で、できない」
「ま、まさか…やられたクソ!クソ!!!」
アリアは泣き崩れながら全てを悟った。
「な、何があった?アリア…俺は」
「吹雪様、貴方の魔法はある一族にミミ様の魂事抜き取られた。もう魔法は使えない。ミミ様がいないと私も…」
「な、なんだって!?それじゃあ妹は」
「残念ながら…」

泣き崩れた時、その時だったドアが相手城の者が次々に溢れるように囲んできた。

「な、何をするき、貴様ら!我はアリアだぞ」
「アリア様貴方をミミ様を殺した罪で処すこちらへ来てください」
「ま、まて」
アリアがその人達に連れ去られた時何故俺は何もされないのか何故なのか。
「ま、まってくれ」
吹雪は大きな声で叫んだ

「なんだ貴様」
「俺は、吹雪、アリアの直々の後継者全ては俺に従って貰う」
「ミミ様の言ってた後継者様はまさか…」
「アリアを離せ。俺は見ていた後継者の立場でアリアがミミを失い泣き崩れていくのをそんなミミをアリアが殺すと思うか?」

全員顔を合わせ膝をつき一斉に放った。
「申し訳ございません」
アリアは手を離され崩れ落ちた。

その場の状況を簡単に説明し、ある一族の話で皆が凍りついた。

「ま、まさかあの一族生きていたのか…」
「さっきから一族って何なんだ?教えてくれ」
騎士が凍りついた表情で答えた。
「その一族は古くから伝わる地の底の更に奥人間では到底倒す事すは不可能とされており、テレポートの様な素早い動き、強力な呪術を持っている一族なんだ」

「でもミミは生きてるんだろ?その魂を取り戻せばいいんだろ?俺が王になりミミを取り戻す。必ず」
「吹雪様、行けません。あなたは魔法を…」
「アリアそれ以上言うな。俺は全てを失っただからこっちの世界でも俺は失う訳には行かないから」

そうして俺はアルバスタ城の王となり討伐しに行くのはまだ先の話。これからある事件が更に待っていたとはこの時俺を含め全員が分からなかった。