異世界。それは、死を目前にした時謎の少女に転生への切符を貰うと行ける世界である。
異世界には、魔王がいる、転生したら勇者だった、何故か性別が変わってた、など様々な報告がある。
だがそれは、ただの噂に過ぎず実際に行った後戻ってこられたなんて保証もなく、死を目前にしてるのに何故知っているのかと俺は疑問に思う。

1章 「始まりの終わり」開幕

俺の名前は氷山吹雪(こおりやまふぶき)趣味は山岳、エベレストに登るのが夢なんだ、異世界には興味を持って日に日に調べてるけど、どれもデタラメバカバカしい。そんな異世界に興味を抱いている俺とやら…はあ

「よしそろそろ朝ごはん食べるか」
「お兄ちゃん!起きてる?今日山岳の日でしょ?」
「おう!朝ごはんできてるのか?」

今日は4月1日皆の世界ではエイプリルフール。いや俺の世界いやこの日本でもエイプリルフール1年に1度嘘をついてもいい日だ。

なんだやけに今日は元気じゃん……いつもはぐーすかいびきかいて寝てる癖に……

俺は雪香(こおりやまゆきか)と二人暮らしをしている。幼い時両親を事故で亡くして以来、ここ4年間はずっとだ。妹はいつも寝てばっかりでだいたい俺が居ないと何もしない。だけれども俺が山岳部で山へ行く時だけ早起きをしてご飯を作ってくれる。今日位は「嘘」ついてみっかな

「お兄ちゃん早く起きなさい!!」
「はいはいいまいきまーす」

お、今日は卵焼きに味噌汁、魚もあるじゃん!
俺は嬉しそうについつい口に出してしまった。
「お兄ちゃん今日帰り遅いの?」
「ああ、先に寝ててくれご飯は食べてくるから大丈夫だよー」
雪香はだいたいこういう時起きて待っていてくれる。そんな優しい妹知ってて聞くのも悪くない…
「くっ笑」

「お兄ちゃん何笑ってるの?気持ち悪いよー早く食べていかないと遅刻するよ?」

「やべ!味噌汁飲んだら行くわ!あ、雪香」

「何お兄ちゃん」

「俺、死ぬんだ」

「お兄ちゃんの嘘は顔に書いてるよ時間大丈夫?」

時間を見たら8時を回っていた…約束の時間まで30分を切っていた、俺は部長なのに遅刻はできねえぞこれ!

「お兄ちゃん行ってらっしゃいー」

「早く寝るんだぞ!いってきまーす」

そんなこんなで何とか約束の場所へ着いたのは5分前。
「先輩遅いっすよ!どれだけ待ったと思ってるんですか!」
「先輩ほんと遅い。時間守らないとかありえないから」
こいつらは俺の2つした、神崎 慎介(かんざき しんすけ)と吉川 芽依(よしかわめい)まさか山岳部に入ってくるなんて思いもしなかった。これは運命の出会いなのか、それとも不幸への道のりだったのか今の俺には考えられない。この2人には本当に感謝している。なんせ山岳部が潰れる瞬間に入部してきた後輩だ。



「ごめんごめん、家に出るの遅れちゃって」
芽依は俺に対していつも怒る。だいたい俺が悪いだけなのかもしれないけどな。

「先輩早く行きましょ、電車遅れますよ」
「お、そうだなじゃあ行くか」

慎介は絶対芽依のこと好きだなって表情に出る癖がある。
「芽依、あんま部長に怒らないであげてー」
「遅れた先輩が悪いでしょ!慎介はいつも先輩に甘すぎ!」
「まあまあここは俺が遅れたから…ごめんな」
「じゃあ行きましょうか」
「おう」
俺と慎介は2人して声を出し笑みを浮かべて返事をした。
それから2時間以上電車に揺られ着いた先は山岳マニアが噂をよくしているとある山。小さい山だけど、まだ誰も登り切った事がないとされる不気味な山。俺達はここに登って少し有名になろうと皆で話し合って行くことに決めた。今日は快晴だから山へは行ける、だけどこの山は噂によれば幽霊や超常現象が起きる、行方不明者が何人も出てる。など色々あるけど噂だから大丈夫だと信じていた。

「先輩…着きましたね…」
「あ、ああ。みんな登れる覚悟できてるか?」
「まさか、部長登らないつもりなんすか?」
「いや、もし噂が本当ならばと」
「じゃあ、私先輩に命預けます」
「先に言うなよ芽依ー」
「お前ら……わかったじゃあ責任もってお前らを守る」
「じゃあ行きましょうか」
俺達はこの後はかりも知れない恐怖が待っていることを知らずに登ろうとしていたのは、この時はまだ知らなかった…。

1章 「始まりの終わり」 終幕

次回第2章 「転生の始まり」