そして、高1の冬、とうとうお父さんが家を出て行った。

別に何も感じなかった。

出て行ってくれて清々した。

やっと平穏な日々が送れる。

お母さんの口から離婚の言葉が出てくるまでに時間はかからなかった。

別に驚きもしない。

むしろ、やっとかって感じだ。

今まで離婚してこなかったのが不思議なくらいだった。

それから何事もなく平穏な日々が訪れると思った。

でも、人生そう上手くはいかないもんだ。

お母さんが離婚を決めてから、親権や財産分与を決めるのに弁護士に頼み、調停を開き、気づけばもう高2だった。

2年になって、特進クラスに入ったわたしはお父さんに報告した。

今度こそ褒めてくれると思った。

今度こそ喜んでくれると思った。