「あの犬はコッカー!コッカースパニエル!アメリカが原産国だよ!」

「ディズニー映画で見たことある!」

「あの犬はボルゾイ!ロシアが原産のオオカミを狩る犬だよ!」

「おお〜!かっこいい!」

しばらく犬の話をした後、和は緊張しながら「あのさ…言わなきゃいけないことがあって…」と言い話した。

「あのさ、実はあかりさんが作ってくれたガトーショコラ、福が食べちゃったんだ。本当にごめんね」

和がそう言うと、あかりの顔がどんどん険しくなり、「それホントなの!?」と和の胸ぐらを掴む。

「う、うん…。ほんとにごめん…」

必死に謝る和に、あかりは「そうじゃなくて!」と叫んだ。

「犬はチョコレートを食べちゃダメなの!!カカオ豆に犬が中毒を起こす成分が含まれていて、早く処置をしないと死んじゃう!!」

死ぬ…。その言葉に、和の体に寒気が走った。

「早く病院に連れて行かなきゃ!」

あかりがスマホを取り出し、典子と病院に連絡をする。

和が部屋のドアを開けると、福は元気におもちゃで遊んでいた。和は福を抱き上げ、あかりとともに病院へと急ぐ。